シュトラウス & C.フランク ヴァイオリンソナタ

大胆、且つ、繊細に。この10年の成長に目を見張る(小林研一郎)

フランクとシュトラウス、2つのソナタの魅力を追って 艶やかな美音と深い音楽性で聴衆を魅了するヴァイオリニスト瀬﨑明日香。ヨーロッパで研鑽を積み、幾多のコンクール入賞歴を持つだけでなく、すでにイザイやサン=サーンスのアルバムをリリース。その煌めく才能を存分に開花させています。

今回彼女が取り組んだのは、フランクとシュトラウスのヴァイオリン・ソナタ。ピアノとの対話が美しいフランク、若々しい情熱が漲るシュトラウス。どちらの作品も高度な技巧が駆使された名曲であり、瀬﨑は真摯、かつひたむきに曲に取り組み、その本質を丁寧に伝えています。

 

【DVD】天心の譜(しらべ)

「コバケン」の愛称で親しまれる指揮者・小林研一郎が、知的障害を抱えた人々を楽団に招いて行った演奏会の様子などを収めたドキュメンタリー。

2010年、古希を迎えた指揮者の小林研一郎は、障害のある31人の演奏家を「コバケンとその仲間たちオーケストラ」に加えてコンサートを企画。小林と演奏家たちは、互いに刺激を受けながら練習から公演までの半年間の貴重な時間を過ごす。そのほか、11年6月にアテネで開かれたスペシャルオリンピックス夏季大会の参加者や、11年秋に、東日本大震災の被災地で小林が特別授業を行う姿なども収められる。05年スペシャルオリンピックス冬季大会の記録係として誕生した、知的障害のある9人で構成される「ビリーブクルー」が中心となってカメラをまわし、本編映像の半分ほどをビリーブクルー撮影の映像が占める。

 

ショパン/小林仁編:4つの管弦楽付ピアノ作品集<室内楽版>

【共演者として参加】

ショパン教会賞やポーランドよりその演奏活動に対し文化勲章を受けるなど、ショパン演奏に定評のある江崎昌子の最新ショパン・アルバムの登場です。これまで『ノクターン集』や『マズルカ集』などでレコ芸特選を受けてきましたが、今回はショパン・シリーズの番外編です。管弦楽付の名曲を室内楽版にアレンジしたものを収録しています。編曲は日本ショパン協会会長、東京芸術大学名誉教授など務めるショパン演奏の第一人者である小林仁です。
ショパンの魅力であるピアニズムはそのままに、管弦楽などに潜むショパンのサウンドの秘密を紐解くかのような鮮やかな編曲は、ショパンの新たな魅力を紹介してくれます。オケ版にはないような室内楽的要素も盛り込み、江崎昌子は華麗にショパンの世界へと誘います。
編成が小さくなることにより、はっきりと色濃く現れるショパンのピアニズム。新しいショパンを楽しむ喜びが出来ました。ぜひお聞き下さい。

 

サン=サーンス ヴァイオリン作品集

イザイの無伴奏ソナタでデビューを飾った実力派ヴァイオリニスト瀬崎明日香のセカンド・アルバム。

近年フランスで人気の若手ピアニスト、シュトロッセを迎え、サン=サーンスの優美な旋律を実に鮮やかに演奏している。その実力は若手ヴァイオリニストのなかでも屈指のものだ。とりわけソナタ第1番は圧巻! 冴えわたるテクニックに加え、繊細さとダイナミックさを兼ね備えた弾きっぷりが素晴らしい。 [ALM RECORDS/コジマ録音]

 

イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ op. 27 【レコード芸術特選】

カントロフ、パスキエ等の巨匠達からも高く評価を受ける実力派。 銘器ストラディヴァリウス《レインヴィル》で描く新たなるイザイの世界。

瀬崎明日香のイザイ 寺西 基之 ヴァイオリニストにとっては6曲まとめて演奏することはきわめて大変な作品だが、瀬崎明日香は臆することなく作品に正面から堂々とアプローチして、しっかりした技術と豊かな音楽的センスと表現意欲でもって作品に鋭く切り込んでいる。

このソナタにはすでに何組もの全曲録音(日本人ヴァイオリニストによるものも多い)が存在するが、その中に、瑞々しい感性のうちに表出性みなぎる演奏を繰り広げたこの瀬崎盤が強力な一枚として加わったことを喜びたい。